本ページは、自動車業界の主要6社(トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、スズキ株式会社、株式会社SUBARU、株式会社デンソー)の働き方・ワークライフバランス(WLB)・平均残業時間・離職率・人材育成・多様性を、有価証券報告書やサステナビリティレポートなどの一次情報のみを用いて整理・比較する業界ハブです。公開情報に基づき、各社の実態を客観的に解説いたします。
「自動車業界の働きやすさを比較したい」「トヨタとホンダ、日産の働き方の違いを知りたい」といったニーズに答える内容になっています。
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自動車業界主要6社の働き方・人的資本KPIの定量比較
平均残業時間の比較表
| 企業 | 平均残業時間(月) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 21.10 時間/月 |
| 本田技研工業 | 公表データなし |
| 日産自動車 | 20.30 時間/月 |
| スズキ株式会社 | 公表データなし |
| 株式会社SUBARU | 公表データなし |
| 株式会社デンソー | 19.00 時間/月 |
Career Reveal編集部の分析
データ公表企業(トヨタ、日産、デンソー)の平均残業時間は19〜21時間/月程度で、業界平均(約20時間)の範囲圏内で安定して推移しています。一方、本田技研工業、スズキ、SUBARUはデータを公表しておらず、業界全体の透明性向上には今後の開示が待たれる。
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👉 6社の残業時間ランキングと傾向分析を見る ↗離職率の比較表
| 企業 | 離職率(%) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 0.9 % |
| 本田技研工業 | 1.6 % |
| 日産自動車 | 2.8 % |
| スズキ株式会社 | 3.6 % |
| 株式会社SUBARU | 2.6 % |
| 株式会社デンソー | 0.86 % |
Career Reveal編集部の分析
主要6社の離職率は0.86%~3.6%と幅がある。デンソーとトヨタは1%未満と突出して低く、非常に高い定着率を示している。一方、日産、スズキ、SUBARUは2%台後半~3%台と、業界平均(約2%と推定)を上回る水準にある。全体としては、定着率に二極化の傾向が見られる。
🚪 自動車業界の「定着率」を徹底比較
👉 6社の離職率ランキングと傾向分析を見る ↗有給取得率の比較表
| 企業 | 有給取得率(%) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 88.4 % |
| 本田技研工業 | 公表データなし。 |
| 日産自動車 | 94.0 % |
| スズキ株式会社 | 80.7 % |
| 株式会社SUBARU | 93.4 % |
| 株式会社デンソー | 92.1 % |
Career Reveal編集部の分析
主要6社のうち本田技研工業を除く5社が有給取得率を公表しており、その範囲は80.7%~94.0%である。日産、SUBARU、デンソー、トヨタの4社は80%台後半から90%台と非常に高い水準で推移しており、従業員の休暇取得が促進されていることがうかがえる。スズキも80%を超えており、全体として高水準にある。
人材投資(研修時間/人・年)の比較表
| 企業 | 人材投資(研修時間/人・年) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 6.9 時間 |
| 本田技研工業 | 公表データなし。 |
| 日産自動車 | 16.8 時間 |
| スズキ株式会社 | 公表データなし。 |
| 株式会社SUBARU | 9.9 時間 |
| 株式会社デンソー | 11.9 時間 |
Career Reveal編集部の分析
主要6社のうち本田技研工業とスズキ株式会社を除く4社が一人当たり研修時間を公表しており、その範囲は6.9時間~16.8時間と大きな差がある。日産自動車が16.8時間と突出して長く、人材への投資を重視している姿勢が明確である。一方、トヨタは比較的短い時間となっており、各社の育成方針や効率性の違いが反映されている可能性がある。
人材投資(研修費用/人・年)の比較表
| 企業 | 人材投資(研修費用/人・年) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 公表データなし。 |
| 本田技研工業 | 公表データなし。 |
| 日産自動車 | 6.3 万円 |
| スズキ株式会社 | 3.9 万円 |
| 株式会社SUBARU | 8.5 万円 |
| 株式会社デンソー | 公表データなし。 |
Career Reveal編集部の分析
主要6社のうち半数の3社が一人当たり研修費用を公表しており、その範囲は3.9万円~8.5万円と開きがある。株式会社SUBARUが8.5万円と最も高く、人材への投資を重視している。一方、スズキ株式会社は3.9万円と比較的低く、各社の投資戦略の違いが現れている。トヨタ、ホンダ、デンソーは非公表であり、業界全体の透明性向上には今後の開示が待たれる。
男性育休取得率の比較表
| 企業 | 男性育休取得率(%) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 67.00 % |
| 本田技研工業 | 90.00 % |
| 日産自動車 | 65.50 % |
| スズキ株式会社 | 65.70 % |
| 株式会社SUBARU | 65.30 % |
| 株式会社デンソー | 97.70 % |
Career Reveal編集部の分析
主要6社の男性育休取得率は65.30%~97.70%と全社が公表しており、その範囲は広い。株式会社デンソーが97.70%と圧倒的に高く、本田技研工業も90.00%と非常に高い水準にある。他の4社も65%を超えており、業界全体で男性の育児参画を促進する動きが活発化していることが明確である。
女性管理職比率の比較表
| 企業 | 女性管理職比率(%) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 4.0 % |
| 本田技研工業 | 2.9 % |
| 日産自動車 | 10.2 % |
| スズキ株式会社 | 2.2 % |
| 株式会社SUBARU | 3.7 % |
| 株式会社デンソー | 2.1 % |
Career Reveal編集部の分析
主要6社の女性管理職比率は2.1%〜10.2%と全社が公表しており、その範囲は広い。日産自動車が10.2%と圧倒的に高く、多様性推進でリードしている。一方、本田技研、スズキ、デンソーは2%台と低迷しており、業界全体として女性の登用には依然として課題があることがうかがえる。
障がい者雇用率の比較表
| 企業 | 障がい者雇用率(%) |
|---|---|
| トヨタ自動車 | 2.49 % |
| 本田技研工業 | 2.54 % |
| 日産自動車 | 2.6 % |
| スズキ株式会社 | 2.44 % |
| 株式会社SUBARU | 2.6 % |
| 株式会社デンソー | 2.52 % |
Career Reveal編集部の分析
主要6社の障がい者雇用率は2.44%〜2.6%と全社が公表しており、その範囲は狭い。日産自動車と株式会社SUBARUが2.6%と最も高く、本田技研とデンソーも法定雇用率(2.5%)を上回っている。一方、トヨタとスズキはわずかに未達であり、業界全体として法定雇用率の達成・維持に向けた取り組みが継続されていることがうかがえる。
自動車業界主要6社の人的資本・働き方タイプ診断(サマリー)
【完全版】自動車業界 主要6社 人的資本データ統合分析表(ざっくりレンジ+タイプ診断)
| 企業名 | 残業時間 | 離職率 | 有給取得率 | 研修時間 | 研修費用 | 男性育休 | 女性管理職 | 障がい者雇用 | 総合タイプ診断 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日産自動車 | 19〜21h | 2%台後半〜3%台 | 80%台後半〜90%台 | 16.8h(1位) | 公表 | 65%超 | 10.2%(1位) | 2.6%(1位) | 【D&I・先進投資リーダー】 女性・障がい者・教育への投資が全てトップクラス。多様性と変化を重視する社風。 |
| 株式会社SUBARU | 公表データなし | 2%台後半〜3%台 | 80%台後半〜90%台 | 公表 | 8.5万円(1位) | 65%超 | 中間 | 2.6%(1位) | 【選択と集中・高福祉型】 研修費と障がい者雇用でトップ。全体的に人に優しい制度設計だが、離職率は平均並み。 |
| 株式会社デンソー | 19〜21h | 1%未満(極低) | 80%台後半〜90%台 | 公表 | 非公表 | 97.7%(1位) | 2%台(課題) | 2.5%超(達成) | 【超・安定ホワイト要塞】 離職率・育休・法定順守の面で完璧に近い「守りの堅さ」。女性登用などは保守的。 |
| 本田技研工業 | 公表データなし | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 非公表 | 90.0%(2位) | 2%台(課題) | 2.5%超(達成) | 【家族重視・マイペース型】 情報開示は消極的だが、男性育休や障がい者雇用など「生活・福祉」指標は非常に高い。 |
| トヨタ自動車 | 19〜21h | 1%未満(極低) | 80%台後半〜90%台 | 短め | 非公表 | 65%超 | 中間 | 2.5%未満(未達) | 【高効率・筋肉質組織】 圧倒的な定着率と組織力を誇るが、障がい者雇用や女性登用などの多様性指標では遅れも。 |
| スズキ株式会社 | 公表データなし | 2%台後半〜3%台 | 80%超 | 非公表 | 3.9万円 | 65%超 | 2%台(課題) | 2.5%未満(未達) | 【堅実・コスト重視型】 研修費抑制、法定雇用率ギリギリ未達など、コストとコンプライアンスのバランスをシビアに見極める。 |
自動車業界6社の働き方・ワークライフバランス比較のまとめ
主要6社の働き方、残業、離職率、多様性の実態については、以下の個別記事で詳しく解説しています。
【面接対策】自動車業界全体のトレンドを探る「逆質問」例
特定の企業だけでなく、自動車業界全体を見渡した視点で質問をすると、「視野が広い」と評価されます。
Q. 変革期における人材育成について聞く
「CASE対応で業界全体が変化する中、御社では特にどのようなスキルセットを持つ人材の育成や、リスキリングに注力されていますか?」
💡 ポイント:日産やトヨタは研修時間が長いため、教育への熱意を確認できます。
Q. 多様性の推進状況について聞く
「御社は業界内でも(男性育休取得率が高い/女性管理職が多い)とデータを拝見しました。現場では、多様な人材が活躍するためにどのような工夫や風土作りをされていますか?」
💡 ポイント:具体的な数字(デンソー97%など)を出して褒めつつ聞くと好印象です。
まとめ
自動車業界の主要6社は、技術変革期に対応するため、柔軟な働き方制度の整備と、多様な人財の能力を最大限に引き出すD&I推進に注力しています。働き方については、コアタイム撤廃(ホンダ)や長期的な育児両立支援(SUBARUの育児短時間勤務期間延長)など、WLB向上のための制度が充実しています。
平均残業時間はデンソー(19.00時間/月)が最も少なく安定しており、離職率はトヨタ自動車(0.9%)とデンソー(0.86%)が極めて低い水準です。人材育成においては、全社的にソフトウェア人財育成プログラムへの投資が加速しています。多様性の観点では、デンソーやホンダの高い男性育休取得率や、日産自動車の高い女性管理職比率(10.2%)、そして複数社によるLGBTQ+への先進的な取り組みが特徴的です。
