三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保を傘下に持つ国内損保3メガの一角、MS&ADインシュアランスグループホールディングス。「MS&ADの働き方・多様性は損保業界でどう位置づけられるのか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
同社が公開する人的資本データ(2025年期)を紐解くと、平均勤続年数22.9年・平均年齢47.9歳はメガバンク・大手金融7社で業界最長・最高水準。一方、有給取得率77.0%・男性育休取得率60.0%は業界最低水準にあり、ベテラン層中心の長期定着型組織と多様性指標のギャップが顕著です。本記事では、MS&ADの働き方・WLB・多様性(D&I)の実態を、業界平均との比較やKPI表をもとにデータで徹底解説します。
※本記事における「業界平均」は、メガバンク・大手金融7社(三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFG、ゆうちょ銀行、東京海上HD、MS&AD、第一生命HD)の公開データを基に算出しています。
結論:勤続22.9年・平均年齢47.9歳の業界最長水準、多様性指標は業界最低
- 残業:非公表(業界平均16.13時間)。三井住友海上では定時17時退社推進など具体施策あり。
- 有給:77.0%(業界平均86.3%を9.3pt下回り、業界最低水準)。
- 離職:3.3%(業界平均5.33%を2.03pt下回る、自己都合離職率ベース)。2023年3.5%→2025年3.3%と3%台前半で安定推移(参考:総離職率は2025年4.5%)。
- 多様性:女性管理職比率15.2%(業界平均19.5%を4.3pt下回る)、男性育休取得率60.0%(業界平均95.64%を35.6pt下回り、業界最低水準)。
- 特徴:勤続22.9年・平均年齢47.9歳という業界最長・最高水準の長期定着型組織。年収業界2位1,143万円が長期勤続を後押し。2030年度末までに女性管理職比率30%等の数値目標を設定。
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KPI表:データで見るMS&ADの働き方・多様性
| 指標 | 会社値 | 業界平均 | コメント |
|---|---|---|---|
| 平均残業時間 | 非公表 | 16.13 時間/月 | 具体的な数値は公表されていません(2025年期)。 |
| 有給取得率 | 77.0 % | 86.3 % | 業界平均を9.3pt下回り、業界最低水準(2025年期)。 |
| 離職率 | 3.3 % | 5.33 % | 業界平均を2.03pt下回り、業界低位グループ(2025年期)。 |
| 女性管理職比率 | 15.2 % | 19.5 % | 業界平均を4.3pt下回るが、2030年度末までに30%の目標を設定(2025年期)。 |
| 男性育休取得率 | 60.0 % | 95.64 % | 業界平均を35.6pt下回り、業界最低水準。2025年度100%の目標あり(2025年期)。 |
| 平均勤続年数 | 22.9 年 | 16.57 年 | 業界平均を6.3年上回り、業界最長水準(2025年期)。 |
| 平均年齢 | 47.9 歳 | 42.24 歳 | 業界平均を5.7歳上回り、業界最高水準(2025年期)。 |
💡 Career Reveal編集部の分析
MS&ADのKPI表で最も特徴的なのは、勤続22.9年・平均年齢47.9歳という業界最長・最高の長期定着型構造と、有給77.0%・男性育休60.0%という業界最低水準の多様性指標の対比です。
勤続年数が業界平均(16.57年)を6.3年上回り、平均年齢も5.7歳高いという構造は、「長く勤めるベテラン層中心の組織」を強く示唆します。一方、男性育休取得率60.0%は業界平均(95.64%)から35.6pt下回り、若手・中堅世代のライフイベント対応には改善余地が大きい状態。組織として2030年度末までに女性管理職比率30%、2025年度に男性育休取得率100%という目標を掲げており、今後の進捗が注目されます。
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労働時間(残業)と長時間労働防止施策
平均残業時間は非公表(業界平均16.13時間)です。具体的な数値は公開されていませんが、長時間労働の防止を公表し、三井住友海上では定時(17時)退社を前提とした働き方や週2回17時台退社推進、長時間労働者への産業医による面接指導を実施するなど、事業会社レベルで具体的な是正施策を運用しています。
⏰ 残業時間「非公表」、定時17時退社推進の実態は?
MS&ADの残業時間は非公表ですが、業界平均は16.13時間。三井住友海上での定時17時退社推進など具体施策をこちらで解説しています。
👉 MS&ADの残業事情と業界比較を見る ↗休暇制度・有給取得
有給休暇取得率は77.0%(業界平均86.3%)で、メガバンク・大手金融7社で最も低い水準です。一方、有給休暇取得推進を公表し、2025期には16.9日の取得実績を達成。年次有給休暇取得日数を前年同水準以上にするという目標を運用しており、組織として改善に取り組んでいます。
柔軟な働き方と長期キャリア支援
MS&ADは柔軟で多様な働き方の推進、治療・療養との両立支援制度、社員のWell-being推進を公表。在宅勤務と出社を組み合わせたリモートワーク、転居転勤の可否選択の柔軟化、傷病時の在宅勤務・時短勤務・私有車通勤などを認める制度を整備しています。またポストチャレンジ制度(公募制)や社内フリーエージェント制度などにより、社内でのキャリア形成機会も提供されています。
📈 業界平均下回る「離職率3.3%」と安定推移
MS&ADの離職率(自己都合)は3.3%(2025年)で業界平均5.33%を下回り、2023年3.5%→2025年3.3%と3%台前半で安定推移。長期定着型組織を支える背景施策をこちらで解説しています。
👉 MS&ADの離職率3.3%と定着の背景を見る ↗多様性(D&I)と成長環境:DE&I推進と数値目標の運用
MS&ADのD&I指標は業界平均を下回る水準にありますが、DE&Iの推進とインクルーシブな組織運営、男性の育児参画を促す企業文化の醸成などを公表し、具体的な数値目標を設定して改善に取り組んでいます。
- 女性活躍:女性管理職比率15.2%は業界平均(19.5%)を4.3pt下回りますが、2030年度末までに女性管理職比率30%、女性ライン長比率15%というKPIを設定。2025期には昇進・昇級した従業員全体に占める女性の割合が66.9%に達するなど、パイプライン整備が進行中。
- 男性育児参画:男性育休取得率60.0%は業界平均(95.64%)を35.6pt下回り業界最低水準。一方、2025年度までに取得率100%、取得日数4週間を目標とし、三井住友海上では男性社員の育児休業1ヵ月取得推進を実施するなど、改善目標を運用しています。
- 多様な人材活用:障がい者の活躍推進(2025期グループ国内雇用率2.71%)、定年退職後の継続雇用、LGBTQに関する理解促進とALLY活動の推進、アスリート支援を通じた共生社会の実現などを展開。
- 成長環境:人財育成への投資拡大、デジタル人財育成プログラム(MS&ADデジタルアカデミー、MS&ADデジタルカレッジfrom京都)、グローバル人財育成プログラム、ジョブ型雇用の活用、360度フィードバックなどにより、キャリア機会を提供。
社風とメンタルヘルスケア
MS&ADは損保大手として、長期勤続を前提とした組織文化を維持しています。社員のWell-being推進(心身の健康・働きやすい環境・働きがいの3要素)、ハラスメント防止対策の実施(スピークアップ制度、全社員対象研修・eラーニング)、心身の健康と安全に配慮した職場環境の整備(健康管理センター、社員相談室、ストレスチェックのグループ統一実施)、健康増進のサポート(ヘルスケアアプリ、禁煙支援、スニーカー通勤奨励)など、メンタル・フィジカル両面のケア体制が整備されています。
【面接対策】働き方・カルチャーについて聞く「逆質問」例
MS&ADの「業界最長の勤続年数」「DE&I推進」「定時退社施策」にフォーカスした質問を用意し、カルチャーへのマッチ度をアピールしましょう。
Q. 女性管理職30%目標の進捗について聞く
「御社は2030年度末までに女性管理職比率30%、女性ライン長比率15%という具体的なKPIを設定されています。2025期には昇進・昇級者の女性比率が66.9%に達したと伺いましたが、目標達成に向けて特に効果が出ているパイプライン整備施策があれば教えていただきたいです。」
💡 ポイント:具体的な数値目標を踏まえた質問は、企業研究の深さとダイバーシティへの関心を示せます。
Q. 男性育休取得率100%目標の達成施策について聞く
「御社は2025年度までに男性育休取得率100%・取得日数4週間という目標を掲げられています。三井住友海上での男性社員の育児休業1ヵ月取得推進など具体的な取り組みを拝見しましたが、現場では男性育休への理解促進や業務カバー体制をどのように整備されているのか教えていただきたいです。」
💡 ポイント:制度の存在ではなく「現場での運用実態」を問うことで、深い研究を示せます。
向いている人・向かない人
- 向いている人
- 損保大手で、長期的・安定的なキャリアを築きたい人。
- 業界2位の年収(1,143万円)と長期勤続に比例した処遇基盤を志向する人。
- ポストチャレンジ制度・社内フリーエージェント制度・デジタル人財育成プログラムなどで、社内でキャリアを広げたい人。
- 向かない人
- 若手中心の組織で、早期に裁量を持ちたい人(MS&ADは平均年齢47.9歳と業界最高水準)。
- 男性育休取得が当然視される環境を求める人(業界最低水準60.0%)。
- 有給取得率の高さを最優先する人(業界最低水準77.0%)。
まとめ:MS&ADの働き方データから見えること
本記事のポイントを振り返ります。
- MS&ADは勤続22.9年・平均年齢47.9歳とメガバンク・大手金融7社で業界最長・最高水準の長期定着型組織。一方、有給77.0%・男性育休60.0%は業界最低水準で、ベテラン層中心の組織構造と多様性指標のギャップが顕著です。
- 女性管理職比率15.2%・男性育休取得率60.0%に対し、2030年度末女性管理職30%、2025年度男性育休100%という具体的な数値目標を設定し、改善を推進中。
- 長時間労働防止・柔軟な働き方推進・社員のWell-being推進など、組織的な労働環境改善施策を体系的に展開しています。
- デジタル人財育成プログラム、グローバル人財育成、360度フィードバックなど、長期キャリアを支える成長環境も整備されています。
ただし、働き方を評価する際には、年収水準(業界2位)・残業時間(非公表)・離職率の動向(3%台前半で安定推移)を併せて確認することで、企業の労働環境を立体的に判断できます。
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