「商社の給料は高い」というイメージは、2026年期の最新データでさらに強まりました。
5大商社の平均年収はすべて1,780万円を超え、三菱商事と三井物産の2社が2,000万円を突破。さらに伊藤忠商事も前年比+186.6万円の1,991.2万円まで上昇し、5大商社平均は1,957.5万円と、平均2,000万円時代が目前に迫っています。

ただし、年収総額だけでは企業ごとの違いは見えません。総労働時間や残業時間を踏まえて時給換算すると、「総額で高い会社」と「効率よく稼げる会社」の違いが浮かび上がります。

結論:総合商社は日本トップクラスの高年収業界

  • 年収レンジ:1,784.4万円〜2,112.5万円(5社すべて高水準)
  • 5社平均:1,957.5万円
  • 2,000万円超え:三菱商事(2,112.5万円)、三井物産(2,058.9万円)
  • 最大上昇:伊藤忠商事(前年比+186.6万円、1,991.2万円まで急伸)
  • 順位変動:なし(ただし5社すべてで平均年収が上昇)
  • 首位の分かれ方:総額では三菱商事、参考時給では三井物産がトップ

業界KPI表:平均年収ランキング(2026年期)

総合商社5社の平均年収ランキング(2026年期)
順位 企業名 平均年収 前年差 平均年齢 平均勤続年数 特徴
1位 三菱商事 2,112.5万円 +79.1万円 42.3歳 17.6年 2,112.5万円で首位維持。5大商社で唯一の2,100万円台。
2位 三井物産 2,058.9万円 +62.5万円 42.0歳 17.4年 2,058.9万円で2,000万円を突破。三菱商事との差は53.6万円。
3位 伊藤忠商事 1,991.2万円 +186.6万円 42.0歳 17.8年 前年比+186.6万円で5社最大の上昇。2,000万円目前まで急伸。
4位 住友商事 1,840.3万円 +96.0万円 43.3歳 18.3年 1,840.3万円まで上昇。平均勤続年数18.3年で安定感がある。
5位 丸紅 1,784.4万円 +75.6万円 42.5歳 17.8年 5位ながら1,784.4万円。前年比+75.6万円で着実に上昇。

💡 Career Reveal編集部の考察

5社すべてが平均年齢42〜43歳、平均勤続年数17〜18年台という類似した人的構造を持っています。年功・勤続の軸でいえば、どの会社に入っても基本構造は近い。
にもかかわらず、年収には最大で300万円以上の差があります。この差の背景にあるのは、業績連動賞与の規模、役割給・職務等級制度の設計、株式報酬の有無・水準といった報酬制度の違いです。
2026年期は特に、三菱商事・三井物産の2社が2,000万円を超えたことに加え、伊藤忠商事の前年比+186.6万円という急伸が目を引きます。就活生・転職検討者は「平均年収の高さ」だけでなく、平均年齢・勤続年数・労働時間、そして働き方の違いも必ず確認してください。

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主要企業の「年収・待遇」詳細

各社の給与制度の特徴や、30歳・40歳時点での推計年収については、以下の詳細記事をご覧ください。

参考試算:時給換算で見ると「効率の三井物産」が浮かび上がる

年収を総労働時間で割った参考時給で見ると、「総額トップ」と「時給トップ」が異なる顔ぶれになります。

順位 企業名 2026年期 平均年収 労働時間データ 参考時給
1位 三井物産 2,058.9万円 総労働時間 1,985.69時間(2025年期開示値) 約10,369円
2位 伊藤忠商事 1,991.2万円 総労働時間 2,075時間(2025年期開示値) 約9,596円
3位 三菱商事 2,112.5万円 月間残業31.0時間から推計(2025年期) 約9,217円
4位 住友商事 1,840.3万円 月間残業9.85時間から推計(2025年期) 約9,029円
5位 丸紅 1,784.4万円 月間残業15.8時間から推計(2025年期) 約8,458円
  • 年収総額では三菱商事が2,112.5万円でトップですが、参考時給では3位(約9,217円)。月間残業31時間という労働時間を反映した結果です。
  • 参考時給の首位は三井物産(約10,369円)。 2026年期の年収2,058.9万円を、開示された総労働時間1,985.69時間で割った値です。
  • 伊藤忠商事は前年比+186.6万円の急伸に加え、総労働時間ベースの参考時給も約9,596円と高効率。総額・効率の両面で存在感が増しています。
  • 住友商事は年収総額4位ながら、月間残業が約10時間と短く、参考時給では三菱商事に近い約9,029円です。
  • 丸紅は参考時給5位(約8,458円)ですが、5大商社の中での順位であり、絶対水準としては非常に高い水準です。

※参考時給はCareer Reveal編集部による試算です。平均年収は各社の有価証券報告書、労働時間は各社の開示資料に基づきます。三井物産・伊藤忠商事は開示された2025年期の総労働時間を使用し、三菱商事・住友商事・丸紅は2025年期の月間残業時間をもとに「月160時間+月間残業時間」で年間労働時間を推計しています。実際の給与体系、賞与、手当、海外駐在手当、所定労働時間などを反映したものではありません。また、全社で完全に同一条件の比較ではないため、参考値としてご覧ください。

業界のトレンド:給与制度はどう変わっている?

従来の「年功序列」から、より実力主義的な制度への移行が進んでいます。

  • 高年収化が加速: 2025年期は三菱商事のみが2,000万円超えでしたが、2026年期は三井物産も2,058.9万円で2,000万円の大台を突破。さらに伊藤忠商事も1,991.2万円と2,000万円目前まで急伸しており、5大商社全体で高年収化が進んでいます。
  • 職務(ジョブ)型への接近: 三菱商事の「職務給」や丸紅の「ミッショングレード」など、担っている役割の大きさで給与を決める制度が広がっています。業績連動賞与・株式報酬・役割給の組み合わせが各社で異なり、それが年収の差を生んでいます。
  • 株式報酬の拡充: 住友商事のように、業績指標に「エンゲージメント」を組み込む事例も出ており、成果報酬の設計が多様化しています。
  • 「平均年収」の読み方: 5大商社の平均年収は平均年齢42〜43歳の社員構成を反映した数値であり、若手の年収そのものではありません。若手でも高水準の報酬が期待できる業界ですが、実際の年収は年次・職種・評価・賞与・海外勤務の有無によって大きく変わります。

総合商社の年収に関するよくある質問(FAQ)

Q. 2026年期で平均年収が2,000万円を超えた総合商社はどこですか?
三菱商事と三井物産です。三菱商事は2,112.5万円、三井物産は2,058.9万円でした。なお5社平均は1,957.5万円で、「5社すべてが2,000万円超え」ではありません。
Q. 2026年期で平均年収が最も伸びた総合商社はどこですか?
伊藤忠商事です。2025年期の1,804.6万円から2026年期は1,991.2万円となり、前年比+186.6万円(+10.3%)の上昇でした。5社の中で唯一、2桁成長を記録しています。
Q. 5大商社の平均年収はいくらですか?
2026年期の5社平均は1,957.5万円です。平均2,000万円には届いていませんが、三菱商事・三井物産の2社は2,000万円を超え、伊藤忠商事も1,991.2万円まで上昇しています。
Q. 時給換算で見ると、最も効率よく稼げる総合商社はどこですか?
Career Reveal編集部の参考試算では、三井物産が約10,369円で首位です。ただし、三井物産・伊藤忠商事は開示された総労働時間を使用し、他3社は月間残業時間から推計しているため、完全に同条件の比較ではありません。
Q. 若手のうちは給料が低いですか?
初任給や若手の報酬水準も大手企業の中では高い傾向にあります。ただし、本記事で扱う平均年収は平均年齢42〜43歳の社員構成を反映した数値です。若手の実際の年収は、年次・評価・賞与・残業時間・海外勤務の有無によって変わります。
Q. ボーナスの割合はどれくらいですか?
商社はボーナス比率が高いのが特徴です。年収の3〜4割程度を占めることもあります。業績が良い年はボーナスだけで数百万〜1,000万円近くになることもありますが、逆に業績が悪化すると年収が下がるリスクもあります。
Q. 海外駐在すると年収はどうなりますか?
跳ね上がります。海外勤務手当、ハードシップ手当、住宅手当などが加算され、額面年収は1.5倍〜2倍近くになることもあります。可処分所得(手取り)で見ると、日本にいる時の数倍の生活水準になることが一般的です。

年収データを企業研究に活かしたい方へ

平均年収は、平均年齢・平均勤続年数・残業時間とあわせて見ることで、待遇水準をより正確に比較できます。本記事の年収データを整理したい方は、企業研究テンプレートも参考にしてください。

まとめ:総額の三菱商事、効率の三井物産、急伸の伊藤忠商事

総合商社の平均年収と参考時給のポジショニングマップ(2026年期)※縦軸:2026年期平均年収、横軸:Career Reveal編集部による参考時給試算

  • 年収総額を重視する人:
    • 三菱商事。2,112.5万円で5大商社トップ。5社で唯一の2,100万円台。
  • 高年収と効率のバランスを重視する人:
    • 三井物産。2,058.9万円で2,000万円を突破し、参考時給でも首位(約10,369円)。
  • 成長・勢いを重視する人:
    • 伊藤忠商事。前年比+186.6万円で最も大きく上昇し、1,991.2万円と2,000万円目前まで急伸。
  • 安定感を重視する人:
    • 住友商事。平均勤続年数18.3年で5社最長。安定した高年収が続く。
  • 役割連動の報酬制度や挑戦機会を重視する人:
    • 丸紅。5位でも1,784.4万円と高水準。ミッション連動型制度で年次を問わず大きな役割に挑戦可能。

一次情報(公式資料へのリンク集)

三菱商事株式会社

三井物産株式会社

伊藤忠商事株式会社

住友商事株式会社

丸紅株式会社

出典

Career Reveal / 有価証券報告書 / サステナビリティレポート / ESGデータブック / 統合報告書