丸紅株式会社の働き方、ワークライフバランス(WLB)、そして多様性(D&I)について、残業時間、有給取得率、離職率などの定量データをもとに徹底解説いたします。同社は「完全リモートワーク制度」の導入など、総合商社の中でも特に先進的で柔軟な働き方を推進しています。

結論:丸紅は「自律」と「柔軟性」の最先端企業

  • 残業:15.8時間/月(業界平均を下回る優秀な数値)
  • 有給:71.1%(業界平均超え)
  • 離職:1.3 %(低い水準で安定)
  • 特徴:ABW(固定席なし)や完全リモートワークなど、場所を選ばない働き方。
  • 育成:研修時間48時間/人(業界平均の約1.7倍。圧倒的な学習量)。

企業と業界の特徴

丸紅は、電力・インフラ・食料などに強みを持つ総合商社です。「正解のない時代」を切り拓くため、社員の自律性を重んじるカルチャーがあります。ABW(Activity Based Working)を全面導入した新本社など、ハード・ソフト両面から「新しい働き方」を模索し続けています。

KPI表:データで見る丸紅の働き方

2025年期主要HR指標比較:丸紅 vs 業界平均
指標 会社値(2025年期) 業界平均 コメント
平均残業時間 15.8 時間/月 19.3 時間/月 業界平均より少なく、働きやすい環境です。
有給取得率 71.1 % 70.1 % 平均を上回っています。
離職率 1.3 % 2.01 % 安定した低水準です。
研修費/人 31.1 万円 40.1 万円 金額は平均以下ですが、時間は長いです。
研修時間/人 48 時間 28.5 時間 業界平均を大幅に上回る学習量です。
女性管理職比率 9.6 % 9.2 % 平均を上回っています。
男性育休取得率 95 % 96.0 % ほぼ全員が取得しています。

💡 Career Reveal編集部の分析

丸紅のデータで際立つのは「研修時間(48時間)」と「残業時間(15.8時間)」のバランスです。
長時間労働を抑制しつつ、浮いた時間を「学び(リスキリング)」に充てるサイクルが回っています。「ただ忙しいだけの商社マン」ではなく、「常に学び続けるプロフェッショナル」を育成する環境と言えます。

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働き方の詳細

労働時間(残業の実態)

2025年期の月間平均残業時間は15.8時間です。住友商事(9.9時間)、伊藤忠(11.0時間)に次ぐ短さであり、三菱商事(31.0時間)や三井物産(27.6時間)と比較すると明らかに業務負荷がコントロールされています。

⏰ なぜ丸紅は残業が少ないのか?

ABW(フリーアドレスの進化版)の導入など、オフィス環境から変えることで生産性を高めている丸紅。その具体的な仕組みと、残業時間推移のデータはこちらの記事で解説しています。

👉 丸紅の残業実態と「新しい働き方」の成果を見る ↗

定着率(離職率1.3%)

離職率は1.3%です。業界平均(2.01%)より低く、安定しています。丸紅は「尖った人材」を好む傾向がありますが、そうした個性の強い社員たちにとっても、今の丸紅は「辞める理由がない」魅力的な環境であることが伺えます。

📈 自由な社風でも人は辞めない?

離職率1.3%という数字は、丸紅の改革が成功している証拠です。社員のエンゲージメントを高める独自の人事戦略と、長期定着の理由については、こちらの記事で解説しています。

👉 丸紅の離職率1.3%の理由と定着率を分析 ↗

休暇制度・有給取得

有給取得率は71.1%です。 ユニークなのは、育児・介護短時間勤務時の「給与減額廃止」です。通常、時短勤務をすると給与が減りますが、丸紅はこれを廃止。ライフイベントがあっても経済的な不安なく働ける画期的な制度です。

柔軟な働き方

丸紅の働き方は、商社の中でも特に「先進的」です。

  • 完全リモートワーク制度:配偶者の転勤などで遠隔地に住む場合でも、辞めずにリモートで働き続けられる制度を導入しました。
  • ABW:「その日の仕事に最適な場所を自分で選ぶ」スタイルが定着しています。

ワークライフバランスまとめ

丸紅のWLBは、「場所に縛られない自由」と「手厚い両立支援」によって支えられています。 男性育休取得率95%という数字も、単なる制度利用だけでなく、風土として定着していることを示しています。

成長環境

一人当たり研修時間は48時間と、業界平均(28.5時間)を圧倒しています。

  • Marubeni Learning Platform (MLP):社員が自律的に学べるプラットフォームを整備。
  • 社内公募・ジョブマッチング:組織を超えた人材流動を促進し、キャリアの硬直化を防いでいます。

多様性・ダイバーシティ&インクルージョン

D&I推進においても、「女性活躍推進2.0」を掲げ、数合わせではない本質的な登用を進めています。 新卒採用の女性比率は50.0%(2024年3月期)に達しており、将来のリーダー候補の層が厚くなっています。

【面接対策】丸紅の「先進性」について聞く逆質問

新しい取り組みへの関心を示すことで、変化適応力をアピールしましょう。

Q. ABWでのコミュニケーションについて聞く

「ABWやリモートワークなど、柔軟な働き方が進んでいる点に魅力を感じています。一方で、顔を合わせる機会が減る中で、チームの一体感や偶発的なアイデア創出のために、現場ではどのような工夫をされていますか?」

💡 ポイント:新しい働き方の課題点についても理解している視点の鋭さを示せます。


Q. 圧倒的な研修時間の活用について聞く

「一人当たりの研修時間が非常に長いことが印象的でした。社員の皆様は、業務と並行してどのように時間を確保し、学んだことを日々のビジネスにどう還元されているのでしょうか?」

💡 ポイント:学ぶ意欲と、それを成果に繋げる意識があることを伝えます。

まとめ

  • 向いている人:
    • 「場所」や「時間」に縛られず、自律的に成果を出したい人。
    • 圧倒的な学習機会(研修)を活用し、自分の市場価値を高めたい人。
    • 新しい制度や変化をポジティブに受け入れられる人。
  • 向かない人:
    • 「会社に来て、席に座っていること」を仕事だと思っている人。
    • 変化を嫌い、従来の年功序列的な商社文化を求める人。

一次情報(公式資料へのリンク集)

丸紅株式会社

出典

Career Reveal / 有価証券報告書 / 統合報告書 / サステナビリティレポート / ESGデータブック