兼松株式会社の働き方、ワークライフバランス(WLB)、そして多様性(D&I)について、定量データをもとに徹底解説いたします。同社は「フルフレックス」や「ABW」をいち早く導入するなど、商社業界の中でも特に柔軟で自律的な働き方を推進しています。

結論:兼松は「自由と責任」が共存する自律型組織

  • 残業:18.3時間/月(業界平均を下回る)
  • 有給:71.2%(取得しやすい)
  • 離職:4.4 %(商社としては高い。人材流動性が高い)
  • 特徴:フルフレックス利用率80%超。時間管理は個人に委ねられています。
  • 育児:男性育休85.7%(高水準)。

企業と業界の特徴

兼松は、電子・デバイス、食料、鉄鋼などに強みを持つ総合商社です。平均年齢は38.2歳と、業界平均(41.9歳)より若く、エネルギッシュな雰囲気が特徴です。組織の規模が大きすぎないため、若手のうちから裁量を持って働ける「少数精鋭」のカルチャーがあります。

KPI表:データで見る兼松の働き方

2025年期主要HR指標比較:兼松 vs 業界平均
指標 会社値(2025年) 業界平均 コメント
平均残業時間 18.3 時間/月 19.3 時間/月 業界平均より少なく、働きやすい環境です。
有給取得率 71.2 % 70.1 % 平均を上回っています。
離職率 4.4 % 2.01 % 業界平均の倍以上。流動性が高いです。
研修費/人 1.2 万円 40.1 万円 金額ベースでは非常に少ないです。
研修時間/人 22 時間 28.5 時間 OJT中心の育成スタイルです。
女性管理職比率 5.9 % 9.2 % 平均を下回っており、課題です。
男性育休取得率 85.7 % 96.0 % 高い水準を維持しています。

💡 Career Reveal編集部の分析

兼松のデータで最も特徴的なのは「離職率4.4%」です。これは三菱商事(0.98%)などの財閥系商社とは対照的です。
しかし、平均年齢が若く(38.2歳)、フルフレックス利用率が高いことから、兼松は「終身雇用で守る会社」ではなく、「若手に機会を与え、自律したプロフェッショナルを育てる会社(そして卒業も認める)」というスタンスであることが読み取れます。

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働き方の詳細

労働時間(残業の実態)

2025年期の平均残業時間は18.3時間/月です。業界平均(19.3時間)を下回っており、ワークライフバランスは取りやすい環境です。 これを支えているのが「フルフレックス制度」です。コアタイムがなく、何時に来て何時に帰っても良いため、個人の裁量で時間をコントロールできます。

⏰ フルフレックスは機能している?

利用率80%超という数字は本物か?兼松の残業実態と、自由な働き方の裏にある「自己管理」の厳しさについては、以下の記事で深掘りしています。

👉 兼松の残業実態と「自由な働き方」のリアルを見る ↗

定着率(離職率4.4%)

離職率は4.4%と、商社業界の中では高めです。しかし、これは「ブラックだから辞める」というよりは、「キャリアアップのために転職する」「独立する」といった前向きな離職も含まれています。平均勤続年数が12.7年と短いのも、人材の流動性が高いためです。

📈 なぜ兼松の社員は辞めるのか?

働きやすい環境なのに、離職率が高い理由とは?兼松の人材戦略と、そこから輩出される人材のキャリアパスについては、こちらの記事で解説しています。

👉 兼松の離職率4.4%の理由と人材流動性を分析 ↗

休暇制度・有給取得

有給取得率は71.2%です。「ブロンズウィーク・プラス制度」など、計画的に大型連休を取る仕組みがあり、休みやすい雰囲気があります。 また、「ハローベビー休暇」など、男性の育児参加を促す独自の休暇制度も充実しています。

柔軟な働き方

兼松の働き方は「場所と時間の自由」が特徴です。

  • ABW (Activity Based Working):本社移転を機に導入。フリーアドレスを進化させ、業務に合わせて場所を選べます。
  • 在宅勤務・サテライトオフィス:制度化されており、出社とリモートを柔軟に使い分けられます。

ワークライフバランスまとめ

兼松のWLBは、「自律」がキーワードです。 会社が細かく管理するのではなく、「成果を出せば働き方は自由」というスタンスです。自己管理ができる人にとっては非常に働きやすいですが、指示待ちタイプには厳しい環境かもしれません。

成長環境

研修費は1.2万円/人と少ないですが、これはOJT(実務経験)を重視しているためです。

  • 兼松ユニバーシティ (KGU):社内研修を体系化し、必要なスキルを学べる場を提供しています。
  • 若手海外実習:若手のうちに海外経験を積ませる制度があり、グローバル人材の育成に力を入れています。

多様性・ダイバーシティ&インクルージョン

D&Iは発展途上です。

  • 女性活躍:女性管理職比率5.9%。数値目標を掲げて採用・育成を強化しています。
  • インクルージョン:社長直轄のプロジェクトチームが発足し、風土改革に取り組んでいます。

【面接対策】兼松の「自律」について聞く逆質問

自由な環境でどう成果を出すか、という視点で質問しましょう。

Q. フルフレックスの活用について聞く

「フルフレックスの利用率が高いと伺いました。自由度が高い中で、チーム内の連携やコミュニケーションの質を維持するために、現場ではどのような工夫をされていますか?」

💡 ポイント:自由に伴う責任や課題についても理解していることを示せます。


Q. 少数精鋭での成長について聞く

「若手のうちから裁量権が大きい点に魅力を感じています。一方で研修費などの数字を見るとOJT中心かと思いますが、現場では先輩社員からどのようなフィードバックや指導を受けられる機会がありますか?」

💡 ポイント:受け身ではなく、自ら学び取る意欲があることを伝えます。

まとめ

  • 向いている人:
    • 「時間」ではなく「成果」で評価されたい、自律した人。
    • 若いうちから裁量を持って働き、早く成長したい人。
    • 将来的な転職や独立も視野に入れている人。
  • 向かない人:
    • 手厚い研修やマニュアルがないと不安な人。
    • 「終身雇用」で定年まで安定して働きたい、保守的な人。

一次情報(公式資料へのリンク集)

兼松株式会社

出典

Career Reveal / 有価証券報告書 / 統合報告書 / サステナビリティレポート / ESGデータブック