株式会社日立製作所の働き方、ワークライフバランス(WLB)、そして多様性(D&I)について、定量データをもとに徹底解説いたします。同社の特徴は、「残業データは非公表だが、人は辞めない」という独特のエンゲージメント構造と、日本企業で最も進んでいるとされる「ジョブ型雇用」への転換にあります。
※本記事における「業界平均」は、電機・IT大手6社(日立製作所、ソニーG、パナソニックHD、三菱電機、富士通、NEC)の平均値として算出・定義しています。
結論:日立は「忙しいプロ」が高待遇で働く場所
- 残業:データなし(非公表)
- 離職:2.4%(業界平均3.15%より低く、トップクラスの定着率)
- 勤続:18.7年(長く働く人が多い)
- 特徴:「ジョブ型」人事により、時間ではなく役割と成果で評価される仕組みへ移行中。
企業と業界の特徴
日立製作所は、IT、エネルギー、鉄道など社会インフラを支える国内最大の総合電機メーカーです。 SIerとしての側面も強く、プロジェクト単位での業務が多いため、部署や時期によっては業務負荷が高まる傾向にあります。しかし、安定した雇用基盤と「ジョブ型」によるキャリア自律の推進により、高い定着率を維持しています。
KPI表:データで見る日立の働き方
| 指標 | 会社値(2025年・直近) | 業界平均 | コメント |
|---|---|---|---|
| 平均残業時間 | データなし | 19.7 時間/月 | 非公表ですが、SI事業等は繁忙期の負荷が高い傾向。 |
| 有給取得率 | 非公表 | 68.1 % | 数値は非公表ですが、柔軟な休暇制度があります。 |
| 離職率 | 2.4 % | 3.15 % | 激務でも人が辞めない、驚異の定着率です。 |
| 人材投資(研修費) | 約8.4 万円 | 約16.0 万円 | 金額は控えめですが、デジタル教育に集中投資しています。 |
| 女性管理職比率 | 8.5 % | 10.6 % | 平均よりやや低め。2030年30%目標へ加速中です。 |
| 男性育休取得率 | 71.9 % | 77.1 % | 平均よりやや低いですが、7割を超え一般化しています。 |
| 平均勤続年数 | 18.7 年 | 17.3 年 | 業界平均より長く、ベテラン層が厚いです。 |
| 平均年齢 | 42.6 歳 | 42.7 歳 | 業界標準の年齢構成です。 |
💡 Career Reveal編集部の分析
日立のデータで最も特徴的なのは、「残業データ非公表」と「離職率2.4%」の組み合わせです。 一般的に長時間労働が懸念されるSIer業界において、これだけ低い離職率を維持しているのは、 「忙しいけれど、それに見合う待遇ややりがい(社会貢献性・大規模案件)がある」と社員が納得している証拠と言えるでしょう。
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労働時間(残業の実態)
平均残業時間はデータなし(非公表)です。ただし、大規模プロジェクトの納期前や、社会インフラのトラブル対応などでは、業務負荷が高まる傾向にあります。「時間管理」よりも「成果」を重視するジョブ型雇用の浸透も、非公表の背景にあると考えられます。
⏰ 残業時間は本当にわからない?
データはありませんが、事業構造から読み解くことは可能です。SE・開発職の負担や、みなし残業ではなくPCログ管理で「働いた分は出る」仕組みなど、詳細はこちら。
👉 日立製作所の残業実態と「忙しさ」の理由を見る ↗柔軟な働き方(タイム&ロケーションフリー)
忙しさをカバーするために、働き方の柔軟性は極めて高いです。
- リモートワーク:全従業員の約95%が対象。出社頻度の制限もなく、業務に合わせて自律的に選択可能です。
- フルフレックス:コアタイムなしの勤務が可能で、ライフスタイルに合わせた時間配分ができます。
定着率(離職率2.4%)
離職率は2.4%と、業界トップクラスの低さです。勤続年数も18.7年と長く、「激務でも辞めない」強固な組織力を持っています。ジョブ型雇用による適材適所が進んでいることも要因の一つです。
📈 激務なのになぜ人が残る?
残業が多くても社員が定着する「日立マジック」の秘密とは?高いエンゲージメントスコアや福利厚生、ジョブ型雇用の効果について分析しました。
👉 日立製作所の離職率2.4%の理由と定着率を分析 ↗成長環境:ジョブ型人財マネジメント
日立は「日本型雇用」から「ジョブ型」への転換を宣言し、実行しています。
- ジョブディスクリプション(JD):職務内容を明確化し、年齢に関わらず能力のある人をポストに登用します。
- デジタル人財育成:DXの最前線で活躍できる人材を育成するため、AI学習プラットフォーム(LXP)などを導入しています。
多様性・ダイバーシティ&インクルージョン
グローバル企業としてD&Iも推進しています。
- グローバル化:役員の外国人比率は26.1%。経営の中枢から多様化が進んでいます。
- 女性活躍:管理職比率は8.5%と発展途上ですが、2030年に30%という野心的な目標を掲げています。
- 男性育休:71.9%が取得しており、ハードワークな環境でも家庭との両立が進みつつあります。
【面接対策】日立の「働き方」について聞く逆質問
「ジョブ型」と「自律」への適応を示す質問が効果的です。
Q. ジョブ型雇用でのキャリアについて聞く
「ジョブ型人財マネジメントへの移行が進んでいると伺いました。若手社員でも実力があれば責任あるポジション(ジョブ)に就ける機会は、以前と比べて具体的にどのように増えているのでしょうか?」
💡 ポイント:制度への理解と、挑戦意欲を示せます。
Q. 忙しい中での生産性向上について聞く
「プロジェクトによっては業務量が多くなることもあるかと思います。そのような状況下で、チームとして生産性を高め、健康的に働き続けるために、現場ではどのような工夫やマネジメントが行われていますか?」
💡 ポイント:忙しさを覚悟しつつ、前向きに対処しようとする姿勢をアピールできます。
まとめ
- 向いている人:
- 「仕事はキツくても、大きなプロジェクトで成長したい・稼ぎたい」という意欲のある人。
- ジョブ型雇用のもと、自分の専門性を明確にしてキャリアを築きたい人。
- リモートワークなどを活用し、忙しい中でも自分で時間をコントロールできる自律型の人。
- 向かない人:
- 「定時退社」や「残業少なめ」を最優先条件とする人。
- 会社主導の異動(転勤)やゼネラリスト育成コースに身を委ねたい安定志向の人。
一次情報(公式資料へのリンク集)
株式会社日立製作所
出典
Career Reveal / 有価証券報告書 / 統合報告書 / サステナビリティレポート / ESGデータブック
