東京エレクトロンは残業時間を公式に公表していませんが、2025年期の有給休暇取得率は78.9%、離職率は2.4%と、半導体業界の中でも極めて良好な労働環境指標を記録しています。数値非公表の背景には、成果を重視する裁量労働制の浸透や、自律的な働き方を促す企業文化があると考えられます。本記事では、関連データと業界比較からその実態に迫ります。

※本記事における「業界平均」は、半導体・製造装置業界主要4社(東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクス、アドバンテスト、レーザーテック)の平均値として算出・定義しています。

結論:東京エレクトロンは「生産性と休息のメリハリが効いた労働環境」

  • 最新残業データなし(非公表)
  • 推移:有給取得率は直近3年で70%から約80%へ急伸し、高水準を維持。
  • 比較:業界平均(約19.4時間)に対し、離職率(2.4%)は平均(2.7%)を下回る安定性。
  • 特徴:勤続10年ごとに最大1ヶ月のリフレッシュ休暇が付与されるなど、長期休息制度が充実。

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最新年の残業KPI表

指標 東京エレクトロン(2025年期) 業界平均(2025年期) コメント
月間平均残業時間 データなし(非公表) 19.4時間 他社は20時間弱で推移。同社も効率化が進むと推測される
有給休暇取得率 78.9% 74.8% 業界平均を上回る高水準. 2024年には80%超を達成
離職率 2.4% 2.7% 極めて低い水準で、長期就業が可能な環境であることを証明

💡 Career Reveal編集部の考察

東京エレクトロンが残業時間を公表していない理由の一つとして、エンジニアや企画職を中心に「裁量労働制」や「フレックスタイム制」が進んでおり、画一的な時間管理になじまない業務特性が挙げられます。しかし、離職率が2%台という驚異的な低さは、長時間労働が常態化する「ブラック」な環境では達成不可能です。さらに、男性育休取得率が前年の39.2%から60%(2025年期)へ急増していることからも、ワークライフバランスへの配慮が急速に進んでいることが読み取れます。

残業推移:データ非公表だが、働きやすさ指標は向上

東京エレクトロンと業界平均(4社)の残業時間比較データ
年(期) 東京エレクトロン(残業) 業界平均(残業) 参考:東京エレクトロン(有給取得率)
2025年 データなし 19.4時間 78.9%
2024年 データなし 20.1時間 80.6%
2023年 データなし 21.0時間 70.0%

※業界平均はデータ公表企業(アドバンテスト、ルネサス等)の平均値。東京エレクトロンは残業データがありませんが、有給休暇取得率が2023年の70%から80%前後へと大幅に改善しており、全社的な働き方改革の成果が出ています。

残業が発生しやすい構造と背景

数値は非公表ですが、グローバル半導体メーカー特有の業務構造から、特定の時期や職種では業務負荷が高まる傾向があります。

  • グローバル対応による時差:海外売上比率が高く、海外拠点や顧客との会議・連携において早朝や深夜の対応が必要になるケースがあります。
  • 顧客トラブルへの緊急対応:フィールドエンジニアなどは、顧客の工場で装置トラブルが発生した際、迅速な復旧対応を求められるため、突発的な残業が発生しやすい環境です。
  • 開発の納期プレッシャー:技術革新が速い業界であり、新製品の開発フェーズでは納期間近に業務が集中することがあります。

他社比較:業界全体で「月20時間」程度が標準

競合他社は残業時間を公表しており、概ね月20時間前後で推移しています。東京エレクトロンも同等水準か、高い生産性により抑制されている可能性があります。

  • アドバンテスト:約19.4時間(2025年)。残業削減とともに男性育休取得率が66.6%へ急伸しています。
  • ルネサスエレクトロニクス:約20.4時間(2024年)。構造改革を経て、安定した労働環境を実現しています。
  • レーザーテック:少数精鋭の高収益体質であり、一人当たりの業務密度は高い傾向にありますが、離職率は1%台と極めて低水準です。

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残業削減の取り組み(リフレッシュ休暇・健康経営)

東京エレクトロンでは、長時間労働の是正と、社員が長く働き続けられる環境づくりに向けて具体的な施策を展開しています。

  • リフレッシュ休暇制度:勤続10年以上の社員に対し、5年ごとに「2週間から1カ月」の特別休暇を付与。2025年期には819名もの社員が取得しています。
  • マネージャーへの啓発活動:管理職を対象に有給休暇取得促進の啓発を行い、部下が休みやすい雰囲気づくりを徹底。これにより取得率80%超(2024年期)を達成しました。
  • 長時間労働者への面接指導:産業医による面接指導を徹底し、健康管理システムを活用した「データヘルス」を推進することで、健康リスクの低減に努めています。

【面接対策】残業について聞く時の「逆質問」例

データがないからこそ、面接で実態を確認するチャンスです。

Q. 実際の働き方のリズムについて聞く

「有給取得率が非常に高く、メリハリのある働き方をされている印象です。部署にもよるかと思いますが、普段の業務終了時間や、繁忙期の様子について教えていただけますか?」

💡 ポイント:残業時間を直接聞くのではなく、働き方のリズムを聞くことで自然に引き出せます。


Q. 健康経営の実感について聞く

「健康経営に力を入れられていると伺いました。残業管理だけでなく、社員がいきいきと働くために、現場レベルで意識されていることはありますか?」

💡 ポイント:会社の方針が現場に浸透しているかを確認できます。


向いている人・向かない人

  • 向いている人
    • 裁量労働制などの環境で、自律的に業務を設計・遂行できる人
    • リフレッシュ休暇などを活用し、オンとオフの切り替えを明確にしたい人
    • グローバルな環境で、時間にとらわれず成果で正当に評価されたい人
  • 向かない人
    • 毎日定時できっちり帰宅することを最優先し、突発的な対応を避けたい人
    • 会社から詳細な時間管理や指示を受けないと動けない人
    • 変化の激しい環境よりも、ルーチンワーク中心の安定を好む人

一次情報(公式資料へのリンク集)

東京エレクトロン株式会社

出典

Career Reveal / 東京エレクトロン サステナビリティレポート / 統合報告書 / ESGデータブック