世界トップクラスの総合金融グループとして、銀行・信託・証券・カード・リースをグローバル規模で展開する三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)。「メガバンクは激務で、辞める人が多い?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
同社が公開している最新の離職率は5.1%(2025年期実績)。メガバンク・大手金融7社の業界平均(5.33%)とほぼ並びで、メガバンク3社の中では中位の水準です。2024年に5.8%まで急上昇した後、改善傾向にあります。本記事では、業界他社との比較や離職率の推移、グローバル展開規模との関連をデータで解説します。

※本記事における「業界平均」は、メガバンク・大手金融7社(三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFG、ゆうちょ銀行、東京海上HD、MS&AD、第一生命HD)の公開データを基に算出しています。

結論:離職率5.1%。業界平均並み、2024年急上昇からの改善トレンド

  • 最新の離職率:5.1%(2025年期実績)。業界平均5.33%とほぼ並びで、メガバンク3社の中では中位の水準です。
  • 推移の要点:2022年3.3% → 2023年3.1% → 2024年5.8% → 2025年5.1%と、2024年に急上昇後、改善傾向にあります。
  • 定着の特徴:従業員数156,253人とメガバンク3社で最大規模。グローバル展開規模が大きく、海外人材・DX人材の流動性が比較的高い構造です。
  • 開示状況:具体的な退職理由の内訳は非公表ですが、女性管理職比率29.2%(業界トップ)・男性育休取得率98.8%などの人的資本データは積極的に開示されています。

データで見るメガバンク・大手金融業界の離職率推移

MUFGとメガバンク・大手金融7社平均の離職率推移を示す折れ線グラフ。2022年3.3%→2023年3.1%→2024年5.8%→2025年5.1%と推移し、業界平均(3.14%→5.33%)とほぼ連動。

MUFGの離職率の推移を業界平均と比較すると、業界トレンドとほぼ連動した動きが確認できます。

年度 会社値(MUFG) 業界平均 トレンド・要因
2025年 5.1 % 5.33 % 前年から0.7pt改善。業界平均をわずかに下回る水準に戻る。
2024年 5.8 % 3.98 % 業界平均を1.8pt上回り、過去4年で最高値を記録。
2023年 3.1 % 3.58 % 業界平均を下回る低水準でスタート。
2022年 3.3 % 3.14 % 業界平均並みで推移。

💡 Career Reveal編集部の分析

注目すべきは、2024年に5.8%まで急上昇した離職率が、2025年に5.1%へと改善している点です。同時期に業界平均も3.98%→5.33%へと急上昇しており、業界全体のDX人材流出・若手早期離職トレンドが、MUFGにも強く影響したと考えられます。
一方、メガバンク3社の中ではSMFG(3.0%)が最も低く、MUFG(5.1%)はそれより2.1pt高い水準です。これは、MUFGが従業員数156,253人と業界最大規模で、グローバル展開・海外人材を多く抱えるため、構造的に人材流動性が高いことが背景にあると推測されます。

他社比較:メガバンク・大手金融7社の中での「定着力」の違い

メガバンク・大手金融7社の最新離職率を比較すると、MUFGの業界内ポジションが明確になります。

企業名 離職率(直近) データ年(期) 特徴・立ち位置
三井住友FG 3.0 % 2025年 メガバンク3社の中で最低水準。業界平均を大きく下回る「定着型」。
東京海上HD 2.8 % 2025年 損保業界最大手。安定した定着力を持つ。
MS&AD 3.3 % 2025年 損保大手。長い勤続年数(22.9年)を背景に低水準。
ゆうちょ銀行 4.5 % 2025年 政府系の安定基盤と勤続21.0年が定着を支える。
三菱UFJFG(MUFG) 5.1 % 2025年 業界平均並み。グローバル展開規模が大きく、人材流動性も高い。
第一生命HD 13.3 % 2025年 生保特有の営業職離職率影響あり。職種別の構造が他社と異なる。
みずほFG 非公表 - 離職率の具体的な数値は公開されていません。

離職が生じやすい「業界の構造」とMUFGの「定着施策」

具体的な退職理由の内訳は公表データなしですが、銀行業界特有の構造的要因と、それをケアするMUFGの定着施策の実態を解説します。

グローバル展開と人材流動性

MUFGは従業員156,253人と業界最大規模で、グローバル展開も活発です。海外人材・DX人材・専門職人材の他業界(外資IT・コンサル)への転出は業界共通の課題ですが、MUFGはその規模ゆえに人材流動性が相対的に高い構造を持ちます。

自律的なキャリア形成支援

グループ横断的な公募制度専門性追求型のキャリア形成を後押しする人事制度キャリア形成の可視化と上司による支援の強化を公表。社内でキャリアパスを描ける仕組みを整備し、離職抑制に取り組んでいます。

人材育成と従業員還元

教育研修費の増額とデジタル人材育成プログラムMUFG Universityメンター制度を整備。さらに賃上げと株式交付制度による従業員還元を進め、人材定着のための処遇改善を打ち出しています。

【面接対策】離職率トレンドを踏まえた「逆質問」例

業界全体の流動化を前提に、MUFGの特徴(グローバル展開・自律的キャリア形成支援)を踏まえた質問が効果的です。

Q. グループ横断的な公募制度の活用について聞く

「御社はグループ横断的な公募制度や、専門性追求型のキャリア形成支援に力を入れていらっしゃいます。実際に若手社員の方が、こうした制度を活用してグループ内でキャリアを広げている事例があれば教えていただきたいです。」

💡 ポイント:制度の存在ではなく「実際の活用実態」を問うことで、表面的な企業研究ではないことを示せます。


Q. グローバル展開規模と人材定着の両立について聞く

「世界トップクラスの金融グループとして規模が大きい一方、業界全体ではDX人材や若手の流動化も進んでいます。御社が優秀な社員に長く活躍してもらうために、報酬・キャリア形成・カルチャー面でどのような差別化を図られているのか教えていただきたいです。」

💡 ポイント:業界トレンドへの理解と、組織への貢献意欲を示せます。

向いている人・向かない人

  • 向いている人:
    • 世界トップクラスの金融グループで、グローバル規模のキャリアを築きたい人。
    • グループ横断的な公募制度・専門性認定制度を活用し、自律的にキャリアを設計したい人。
    • 女性管理職比率業界トップ(29.2%)の環境で、ジェンダーに関わらず活躍したい人。
  • 向かない人:
    • 会社が示すキャリアパスに沿って、受動的に昇進していきたい人(自律性が前提のため)。
    • 離職率が業界平均並みであることに不安を感じる人(より低い定着率を求めるならSMFG等が候補)。
    • 個人で完結する業務や、短期で成果が出る環境を最優先する人。

まとめ:MUFGの離職率データから見えること

本記事のポイントを振り返ります。

  • MUFGの離職率は5.1%で、メガバンク・大手金融7社の業界平均5.33%とほぼ並び、メガバンク3社の中では中位の水準です。
  • 2024年に5.8%まで急上昇した後、2025年は5.1%へ改善。業界全体のDX人材流出・若手離職トレンドが影響したと考えられます。
  • 従業員156,253人と業界最大規模・グローバル展開という構造的背景が、メガバンク3社の中で人材流動性が相対的に高い要因となっています。
  • グループ横断的な公募制度、教育研修費の増額、MUFG University、賃上げ・株式交付などの定着施策が複合的に展開されています。

ただし、企業選びでは離職率だけで判断せず、年収水準・働き方の柔軟性・残業実態を併せて確認することが重要です。以下の関連データもチェックして、MUFGを総合的に判断しましょう。

💰 高水準の処遇を支える「年収」事情

MUFGの平均年収は1,093.3万円。30歳推計811万円、40歳推計1,090万円という給与カーブの実態についてはこちらで解説しています。

👉 平均年収1,093万円!MUFGの給与構造を見る ↗

⏰ メガバンク3社で最長の「残業時間」の実態

MUFGの平均残業時間は月19.3時間で、業界平均16.13時間を上回りメガバンク3社の中で最長。ただし2022年21.0時間→2025年19.3時間と減少傾向にあります。詳細はこちらで解説しています。

👉 MUFGの残業事情と業界比較を見る ↗

🏢 メガバンク・大手金融業界全体のランキングを見る

メガバンク・大手金融7社の離職率ランキング・比較はこちら ↗

一次情報(公式資料へのリンク集)

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ