スーパーゼネコン最大手の一角として、国内外の大型建築・土木・インフラプロジェクトを担う大成建設。東京2020オリンピック施設をはじめ数多くの象徴的な構造物を手がけてきた建設業界のリーディングカンパニー。「スーパーゼネコンの働き方は年功序列・体育会系で古い?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
同社が公開する人的資本データを見ると、女性管理職比率7.5%(業界平均5.2%)、男性育休取得率118.5%(業界平均96.5%)。一方で、残業時間は月30.3時間(業界平均25.4時間)、有給休暇取得率は60.0%(業界平均62.4%)です。本記事では、大成建設の働き方・ワークライフバランス・多様性(D&I)の実態を、業界平均との比較やKPI表をもとにデータで解説します。
※本記事における「業界平均」は、大手建設・ハウスメーカー6社(大成建設・清水建設・鹿島建設・大林組・積水ハウス・大和ハウス工業)の公開データを基に算出しています。
結論:女性管理職比率7.5%・男性育休118.5%が強み。一方で残業時間と有給取得率には課題も
- 残業:月30.3時間(業界平均25.4時間)。業界平均より4.9時間長い水準です。
- 有給:60.0%(業界平均62.4%)。業界平均を2.4pt下回ります。
- 離職:2.5%(業界平均2.4%)。業界平均とほぼ同水準です。
- 多様性:女性管理職比率7.5%(業界平均5.2%)、男性育休取得率118.5%(業界平均96.5%)。
- 勤続年数:17.2年(業界平均16.3年)。業界平均より0.9年長い水準です。
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KPI表:データで見る大成建設の働き方・多様性
| 指標 | 会社値 | 業界平均 | コメント |
|---|---|---|---|
| 平均残業時間 | 30.3 時間/月 | 25.4 時間/月 | 業界平均を4.9時間上回る(2025年期)。2023年36.6時間から2025年30.3時間へ改善しているものの、依然として業界平均より長い水準です。 |
| 有給休暇取得率 | 60.0 % | 62.4 % | 業界平均を2.4pt下回る(2025年期)。大きな差ではないものの、休暇取得率は6社平均をやや下回ります。 |
| 離職率 | 2.5 % | 2.4 % | 業界平均を0.1pt上回る(2025年期)。業界平均とほぼ同水準ですが、2023年から上昇傾向にあります。 |
| 女性管理職比率 | 7.5 % | 5.2 % | 業界平均を2.3pt上回る(2025年期)。6社比較でも高い水準で、D&I面の強みといえます。 |
| 男性育休取得率 | 118.5 % | 96.5 % | 業界平均を22.0pt上回る(2025年期)。100%を超える高水準で、男性の育児参画支援が進んでいることがうかがえます。 |
| 平均勤続年数 | 17.2 年 | 16.3 年 | 業界平均より0.9年長い(2025年期)。長期的にキャリアを積む社員が一定数いることがうかがえます。 |
※男性育休取得率は、各社の算出定義により100%を超える場合があります。対象年度内に出生した子の数と、同年度に育休を取得した人数の計上タイミングが一致しない場合などがあるためです。
💡 Career Reveal編集部の分析
大成建設は、女性管理職比率7.5%と男性育休取得率118.5%がいずれも業界平均を上回っており、D&Iや育児参画の面では強みが見られます。 一方で、残業時間は30.3時間/月と業界平均25.4時間/月を上回り、有給取得率も60.0%で業界平均62.4%をやや下回ります。 また、離職率は2.5%で業界平均2.4%とほぼ同水準ですが、直近では上昇傾向にあるため、制度面の強みと働き方の負荷を分けて確認することが重要です。
⏰ 大成建設の残業時間、大手建設・ハウスメーカー6社での位置づけは?
月間平均残業時間30.3時間(業界平均25.4時間)。残業時間の推移・業種特性と削減施策の詳細はこちら。
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| 企業名 | 女性管理職比率 | 男性育休取得率 | 有給取得率 | 平均残業時間 |
|---|---|---|---|---|
| 大成建設株式会社(大成建設) | 7.5 % | 118.5 % | 60.0 % | 30.3 h/月 |
| 大和ハウス工業株式会社 | 6.1 % | 68.9 % | 66.5 % | 14.1 h/月 |
| 株式会社大林組 | 6.0 % | 102.1 % | 52.9 % | 32.8 h/月 |
| 清水建設株式会社 | 4.9 % | 89.3 % | 52.0 % | 23.7 h/月 |
| 積水ハウス株式会社 | 3.8 % | 109.0 % | 79.9 % | 21.1 h/月 |
| 鹿島建設株式会社 | 2.9 % | 91.2 % | 62.8 % | 30.5 h/月 |
※男性育休取得率は、各社の算出定義により100%を超える場合があります。
大成建設の多様性・働き方改革の主要施策
DE&I推進体制の進化と社外相談窓口の設置
従来の女性活躍推進を、「多様性、公平性の確保」を重視した「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)推進」へと進化させています。社員の心理的安全性をより高めるため、セクシュアル・ハラスメントやLGBTQ+に関連する相談に対応する社外専門相談窓口を2023年5月に設置し、当事者だけでなく上司や同僚も相談できる体制としています。
キャリア採用の拡充と処遇の検討
多様な人財が活躍できる働き方と職場環境の整備を進める一環として、キャリア採用を拡充し、処遇の検討・実施を行っています。キャリア採用に占める女性の割合を2030年までに25%以上とする目標達成に向けて、採用活動を継続しています。
新卒女性採用の目標設定と育成強化
多様な人財がイノベーション創出の基盤であるとの考えのもと、新卒採用に占める女性の割合を2030年までに30%以上とする目標を掲げ、採用強化に取り組んでいます。2025年期の新卒女性採用比率は25.5%となっており、将来の女性管理職候補となる人材層の拡大を進めています。
事務用品リユース活動を通じた活躍の場の拡大
SDGsの取り組みの一環として、作業所で不要になったチューブファイルなどの事務用品を回収し再利用するリユース活動を実施しています。この活動は障がいのある社員の活躍の場を広げる取り組みにもつながっており、2025年期にはグループの障がい者雇用率が2.45%となっています。
💰 大成建設の多様性・働き方改革を支える年収水準
大成建設の平均年収は1,058.0万円。年齢別推計・時給換算・大手建設・ハウスメーカー6社比較はこちら。
👉 大成建設の平均年収1,058.0万円!給与構造を見る ↗社風とメンタルヘルスケア
大成建設の離職率は2.5%で、業界平均2.4%とほぼ同水準です。一方で、平均勤続年数は17.2年と業界平均16.3年を上回っており、長期的にキャリアを積む社員が一定数いることがうかがえます。
作業所の働き方改革を推進し、健康管理残業時間の超過者割合を減らすために、建築部門および土木部門の作業所における4週8閉所実施率向上を重要業績評価指標として設定しています。施工の効率化・省人化や適正工期の確保に向けた取り組みにより、2024年度は建築部門で49.9%、土木部門で80.0%の実施率となり、健康管理残業時間の超過者割合は8.3%まで低下しています。
建設業界では2024年問題対応を機に働き方改革が進んでおり、従業員のウェルビーイングへの取り組みも各社で強化されています。
【面接対策】働き方・多様性について聞く逆質問例
Q. 女性活躍・管理職育成の実態を聞く
「女性管理職比率7.5%という数字を拝見しました。女性管理職比率を高めるために、若手・中堅社員の段階ではどのようなキャリア支援や育成機会が用意されていますか?」
💡 ポイント:数値への具体的な関心と、自身のキャリア形成意欲を示せます。
Q. 男性育休取得の実態を聞く
「男性育休取得率118.5%という高い数字を拝見しました。実際に取得した男性社員の方は、復帰後の働き方やキャリア形成についてどのように感じているのでしょうか?」
💡 ポイント:制度の有無だけでなく、利用後の働き方や職場文化に関心を持っていることを示せます。
向いている人・向かない人
- 向いている人:
- 建設業界・スーパーゼネコンで専門性を磨きながら、多様性ある職場で活躍したい人。
- D&I推進や男性育休取得支援など、制度面の変化も重視しながら、スーパーゼネコンで長期的にキャリアを積みたい人。
- 大規模プロジェクトに関わりながら、働き方改革やDE&I推進の進展も重視したい人。
- 向かない人:
- 有給取得率の高さや残業時間の少なさを最優先に企業選びをしている人。
- 残業時間が常に少なく、時期による変動もほとんどない環境を求める人。
- 現場勤務・転勤・配属先による働き方の違いをできるだけ避けたい人。
まとめ:大成建設の働き方データから見えること
- 女性管理職比率は7.5%で、業界平均5.2%を上回っています。
- 男性育休取得率は118.5%で、業界平均96.5%を上回っています。
- 有給取得率は60.0%で業界平均62.4%をやや下回り、残業時間は30.3時間/月で業界平均25.4時間/月を上回ります。
- 離職率は2.5%で業界平均2.4%とほぼ同水準ですが、直近では上昇傾向にあります。
- 大成建設は、D&I指標や男性育休では強みが見られる一方、残業時間や有給取得率には改善余地があり、働き方指標の中でも強弱が分かれる結果となっています。
- 建設業界全体では2024年問題対応を機に、働き方改革・多様性推進が進んでいます。
🏢 大手建設・ハウスメーカー6社全体の働き方比較を見る
大手建設・ハウスメーカー6社の働き方・多様性比較はこちら ↗一次情報(公式資料へのリンク集)
大成建設株式会社
出典
本記事のデータは各社が公開する有価証券報告書・統合報告書・サステナビリティレポート等の一次情報を基に構成しています。数値は各社公表の最新データ(主に2025年期)を使用しています。本記事では、建設業における2024年4月からの時間外労働上限規制を「2024年問題」と表記しています。






