スーパーゼネコン最大手の一角として、国内外の大型建築・土木・インフラプロジェクトを担う大成建設。東京2020オリンピック施設をはじめ数多くの象徴的な構造物を手がけてきた建設業界のリーディングカンパニー。「スーパーゼネコンは建設現場で長時間労働が常態化している?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
同社が公開している最新の平均残業時間は月30.3時間(2025年期実績)。大手建設・ハウスメーカー6社の業界平均(25.4時間)と比較すると、業界平均を4.9時間上回る水準です。本記事では、業界他社との比較や残業時間の推移、2024年問題への対応をデータで解説します。

※本記事における「業界平均」は、大手建設・ハウスメーカー6社(大成建設・清水建設・鹿島建設・大林組・積水ハウス・大和ハウス工業)の公開データを基に算出しています。

結論:残業30.3時間/月。業界平均を上回るが、直近では改善傾向

  • 最新の残業時間:月30.3時間(2025年期実績)。業界平均25.4時間と比較すると、業界平均を4.9時間上回る水準です。
  • 推移の要点:2023年36.6時間、2024年35.5時間、2025年30.3時間と、開示されている期間では改善傾向にあります。
  • 2024年問題の影響:建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が本格適用されました。各社で工期適正化・業務効率化・DX活用による残業削減が進んでいます。

データで見る大手建設・ハウスメーカー6社の残業時間推移

大成建設の残業時間推移グラフ(2025年最新:月30.3時間)。大手建設・ハウスメーカー6社平均25.4時間との比較。2024年時間外上限規制対応前後の推移。

大成建設の残業時間推移を業界平均と比較します。建設業界では、2024年4月からの時間外労働上限規制の本格適用が大きな転換点となっています。

年度 会社値(大成建設) 業界平均 トレンド
2022年 非公表 39.5 時間 大成建設の会社値は非公表。業界平均は高水準で、建設業界全体で長時間労働が課題だった時期。
2023年 36.6 時間 31.0 時間 業界平均を5.6時間上回る。開示開始時点では6社比較でも長めの水準。
2024年 35.5 時間 28.5 時間 前年比1.1時間減。ただし業界平均を7.0時間上回る水準。
2025年 30.3 時間 25.4 時間 前年比5.2時間減。改善は進んだが、業界平均を4.9時間上回る。

💡 Career Reveal編集部の分析

建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が本格適用され、業界全体で残業時間の削減が進んでいます。大手建設・ハウスメーカー6社の業界平均は2022年39.5時間から2025年25.4時間へと改善しています。 大成建設も2023年36.6時間から2025年30.3時間へと改善しています。ただし、2025年時点でも業界平均25.4時間を4.9時間上回っており、スーパーゼネコンの中でも残業時間はやや長めの水準です。 スーパーゼネコン各社とハウスメーカー2社では、事業構造や現場業務の比重が異なるため、残業時間にも差が出ていると考えられます。

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他社比較:大手建設・ハウスメーカー6社の残業時間ランキング

順位 企業名 平均残業時間 データ年 特徴・コメント
1 大和ハウス工業株式会社 14.1 時間/月 2025年 6社中で最も短い14.1時間/月。ハウスメーカー2社の中でも特に短く、業界平均を大きく下回る水準。
2 積水ハウス株式会社 21.1 時間/月 2025年 大和ハウスに次ぐ低水準の21.1時間/月。業界平均25.4時間を下回る水準。
3 清水建設株式会社 23.7 時間/月 2025年 業界平均25.4時間を下回る水準。スーパーゼネコン4社の中では比較的短い残業時間。
- 業界平均 25.4 時間/月 2025年 大手建設・ハウスメーカー6社の平均値。
4 大成建設株式会社(大成建設) 30.3 時間/月 2025年 業界平均25.4時間を約5時間上回る一方、2023年36.6時間から2025年30.3時間へと6.3時間改善。
5 鹿島建設株式会社 30.5 時間/月 2025年 業界平均を約5時間上回る水準。ただし、2022年39.5時間から2025年30.5時間へと改善しています。
6 株式会社大林組 32.8 時間/月 2025年 6社中では最も長い32.8時間/月。2023年37.5時間から2025年32.8時間へと改善傾向です。

「長時間労働」の構造的背景と大成建設の改善施策

建設業界では、現場工程の遅延、協力会社との調整、繁忙期の偏り、長期プロジェクトへの対応などにより、労働時間が長くなりやすい構造があります。特に建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が本格適用され、各社で勤怠管理の厳格化や業務効率化が進んでいます。

大成建設では、作業所の4週8閉所、デジタル技術の活用、研修・教育体制の整備などを通じて、生産性向上と長時間労働の是正に取り組んでいます。

作業所の4週8閉所実施率の向上

作業所の働き方改革を推進するため、建築部門・土木部門の作業所における4週8閉所実施率向上を重要業績評価指標として設定しています。施工の効率化・省人化や適正工期の確保に向けた取り組みにより、2024年度は建築部門49.9%、土木部門80.0%の実施率となり、健康管理残業時間の超過者割合は8.3%まで低下しています。

研修対象範囲の拡大とデジタル教育の強化

2022年度より、本社主催研修に加え、支店主催研修や全社e-Learningの受講実績等も集計対象とすることで、研修機会を拡大しています。2025年期の総研修受講者人数は134,462名に達し、全社デジタル教育機関「DXアカデミー」の拡大などを通じて、デジタル人財の育成も進めています。

作業所の業務効率化とデジタル技術の活用

2024年度からの時間外労働上限規制適用を見据え、生産性向上と並行して業務量と人員の適正化を進めています。特に土木事業では、T-iDigital Fieldの進化と適用拡大による生産性向上や、作業所業務の集約・効率化を推進することで、4週8閉所実施率の向上を図っています。

【面接対策】残業時間・働き方改革について聞く逆質問例

Q. 2024年問題対応後の働き方の変化を聞く

「平均残業時間30.3時間というデータを拝見しました。部署や現場によって働き方に違いはあると思いますが、2024年4月以降、若手社員の残業時間や働き方はどのように変化していますか?」

💡 ポイント:開示データへの理解と、2024年問題後の実際の働き方への関心を示せます。


Q. DX・テクノロジー活用による生産性向上の取り組みを聞く

「残業削減のためには、DXや建設テクノロジーの活用も重要だと感じています。御社では具体的にどのようなデジタルツールや仕組みが、現場や各部門の効率化に役立っていますか?」

💡 ポイント:業界課題とテクノロジーへの関心を示せます。

向いている人・向かない人

  • 向いている人:
    • 大型建築・土木・インフラプロジェクトに携わり、社会に残る仕事にやりがいを感じられる人。
    • 現場業務の達成感・スケール感を重視でき、繁忙期の業務負荷も含めて建設業の働き方を理解できる人。
    • 建設DX・生産性向上に自ら貢献したいという意欲がある人。
  • 向かない人:
    • 残業時間の少なさを最優先に企業選びをしている人。
    • 残業時間が常に一定であることを重視する人(工事の工程や配属先によって変動しやすい)。
    • 現場勤務・転勤・配属先による働き方の違いをできるだけ避けたい人。

まとめ:大成建設の残業時間データから見えること

  • 大成建設の残業時間は月30.3時間(2025年期)で、業界平均25.4時間と比較すると業界平均を4.9時間上回ります。
  • 大成建設自身も2023年36.6時間、2024年35.5時間、2025年30.3時間と、開示期間では改善傾向にあります。
  • 建設業全体で2024年問題への対応が進んでおり、業界平均は2022年39.5時間から2025年25.4時間へと大幅に改善しています。
  • 大成建設・鹿島建設・大林組は30時間前後、ハウスメーカー2社は20時間前後で、業態や事業構造による差が見られます。
  • ただし、清水建設は23.7時間で業界平均を下回っており、スーパーゼネコンの中でも企業ごとの差があります。

💰 大成建設の「年収」と残業代の関係

平均年収1,058.0万円の内訳・年齢別推計はこちら。

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📈 大成建設の「離職率」との関係

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一次情報(公式資料へのリンク集)

大成建設株式会社

出典

本記事のデータは各社が公開する有価証券報告書・統合報告書・サステナビリティレポート等の一次情報を基に構成しています。数値は各社公表の最新データ(主に2025年期)を使用しています。本記事では、建設業における2024年4月からの時間外労働上限規制を「2024年問題」と表記しています。