1804年創業の老舗スーパーゼネコン。国内外の大型建築・土木プロジェクトを幅広く手がけ、「人・モノ・自然が共生する環境の実現」をCSR理念に掲げる建設業界の名門。「清水建設の働き方・多様性の取り組みは他のゼネコンと比べてどうか?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
同社が公開する人的資本データを見ると、残業時間23.7時間/月(業界平均25.4時間/月)、離職率2.1%(業界平均2.4%)は業界平均を下回る一方、有給取得率52.0%(業界平均62.4%)、女性管理職比率4.9%(業界平均5.2%)、男性育休取得率89.3%(業界平均96.5%)は業界平均を下回ります。本記事では、清水建設の働き方・ワークライフバランス・多様性(D&I)の実態を、業界平均との比較やKPI表をもとにデータで解説します。
※本記事における「業界平均」は、大手建設・ハウスメーカー6社(大成建設・清水建設・鹿島建設・大林組・積水ハウス・大和ハウス工業)の公開データを基に算出しています。
結論:残業23.7時間・離職率2.1%は業界平均より良好。一方で有給取得率とD&I指標には課題も
- 残業:月23.7時間(業界平均25.4時間)。業界平均を1.7時間下回ります。
- 有給:52.0%(業界平均62.4%)。業界平均を10.4pt下回ります。
- 離職:2.1%(業界平均2.4%)。業界平均を0.3pt下回ります。
- 多様性:女性管理職比率4.9%(業界平均5.2%)、男性育休取得率89.3%(業界平均96.5%)。いずれも業界平均を下回ります。
- 勤続年数:16.0年(業界平均16.3年)。業界平均と近い水準です。
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KPI表:データで見る清水建設の働き方・多様性
| 指標 | 会社値 | 業界平均 | コメント |
|---|---|---|---|
| 平均残業時間 | 23.7 時間/月 | 25.4 時間/月 | 業界平均を1.7時間下回る(2025年期)。6社中3番目に短く、スーパーゼネコン4社の中では比較的短い水準です。 |
| 有給休暇取得率 | 52.0 % | 62.4 % | 業界平均を10.4pt下回る(2025年期)。6社比較でも低めで、休暇取得率には改善余地があります。 |
| 離職率 | 2.1 % | 2.4 % | 業界平均を0.3pt下回る(2025年期)。2024年から2025年は横ばいで、6社比較では低めの水準です。 |
| 女性管理職比率 | 4.9 % | 5.2 % | 業界平均を0.3pt下回る(2025年期)。10%以上の目標を掲げており、今後の改善が注目されます。 |
| 男性育休取得率 | 89.3 % | 96.5 % | 業界平均を7.2pt下回る(2025年期)。高い水準ではあるものの、6社平均と比べるとやや低めです。 |
| 平均勤続年数 | 16.0 年 | 16.3 年 | 業界平均より0.3年短い(2025年期)。大きな差ではなく、業界平均と近い水準です。 |
※男性育休取得率は、各社の算出定義により100%を超える場合があります。対象年度内に出生した子の数と、同年度に育休を取得した人数の計上タイミングが一致しない場合などがあるためです。
💡 Career Reveal編集部の分析
清水建設は、残業時間23.7時間/月と離職率2.1%がいずれも業界平均を下回っており、働き方・定着面では比較的良好な指標が見られます。 一方で、有給取得率52.0%、女性管理職比率4.9%、男性育休取得率89.3%はいずれも業界平均を下回っており、休暇取得やD&I指標には改善余地があります。 建設業界では2024年問題への対応と人材確保の観点から、働き方改革・女性活躍推進・育児支援の強化が進んでいます。清水建設も制度整備や人材育成を進めていますが、KPIを見る際は、残業・離職の良好さと、有給・D&I指標の課題を分けて確認することが重要です。
⏰ 清水建設の残業時間、大手建設・ハウスメーカー6社での位置づけは?
月間平均残業時間23.7時間(業界平均25.4時間)。残業時間の推移・業種特性と削減施策の詳細はこちら。
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⚡ 大手建設・ハウスメーカー6社を一括比較して表を作る(無料)他社比較:大手建設・ハウスメーカー6社の働き方・多様性データ一覧
| 企業名 | 女性管理職比率 | 男性育休取得率 | 有給取得率 | 平均残業時間 |
|---|---|---|---|---|
| 大成建設株式会社 | 7.5 % | 118.5 % | 60.0 % | 30.3 h/月 |
| 大和ハウス工業株式会社 | 6.1 % | 68.9 % | 66.5 % | 14.1 h/月 |
| 株式会社大林組 | 6.0 % | 102.1 % | 52.9 % | 32.8 h/月 |
| 清水建設株式会社(清水建設) | 4.9 % | 89.3 % | 52.0 % | 23.7 h/月 |
| 積水ハウス株式会社 | 3.8 % | 109.0 % | 79.9 % | 21.1 h/月 |
| 鹿島建設株式会社 | 2.9 % | 91.2 % | 62.8 % | 30.5 h/月 |
※男性育休取得率は、各社の算出定義により100%を超える場合があります。
清水建設の多様性・働き方改革の主要施策
新卒採用における通年採用の開始
学生の就職に対する意識や就職活動のスタイルの多様化に対応するため、従来の新卒一括採用を見直し、一年を通じて入社を受け入れる「通年採用」を2022年4月から開始しています。多様な応募機会を設けることで、学生の状況に合わせた採用活動を進めています。
介護と仕事の両立支援制度の整備と柔軟な働き方の実現
育児・介護・傷病治療などの事情がある内勤者に対し、コアタイムを設けないフレックス勤務制度などを導入し、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方の選択肢を提供しています。2023年度には介護休暇が有給扱いとなり、2025年期には介護休暇取得者数が164人となっており、仕事と介護の両立支援に関する制度利用が広がっています。
障がいのある従業員向けの成長機会提供と職場環境の整備
障がいのある人財の活躍を推進するため、中期経営計画の説明会・対話会や現場見学会(2023年10月に19名が参加)などの成長機会を公平に提供しています。職場環境のバリアフリー化や合理的配慮の提供などの基盤整備を進めることで、障がいのある従業員が能力を発揮しやすい環境づくりを進めています。
ハラスメント相談窓口の設置と人権啓発研修の実施
シミズグループの人権基本方針に基づき、職場におけるハラスメントなどについて社外の専門家に相談できる窓口を設けています。また、グループ会社を含む全役員・従業員を対象に、ハラスメントなどを含む様々なテーマで人権啓発研修を実施し、人権の尊重とコンプライアンスの徹底を図っています。
💰 清水建設の多様性・働き方改革を支える年収水準
清水建設の平均年収は1,011.6万円。年齢別推計・時給換算・大手建設・ハウスメーカー6社比較はこちら。
👉 清水建設の平均年収1,011.6万円!給与構造を見る ↗社風とメンタルヘルスケア
清水建設の離職率は2.1%で、業界平均2.4%を下回ります。また、平均勤続年数は16.0年と業界平均16.3年に近く、長期的にキャリアを積む社員が一定数いることがうかがえます。
全国の拠点でカウンセラーの増員による産業保健スタッフの充実を図り、メンタルヘルスの向上をサポートする体制を強化しています。また、副部門長・部署長による作業所への巡回面談の実施や、職場巡回、希望者との面談などを通じた職場環境改善のフォローの強化に取り組むことで、従業員の心身の健康維持とストレスチェック受検率の向上を目指しています。
建設業界では2024年問題対応を機に働き方改革が進んでおり、従業員のウェルビーイングへの取り組みも各社で強化されています。
【面接対策】働き方・多様性について聞く逆質問例
Q. 女性活躍・管理職育成の実態を聞く
「女性管理職比率4.9%という数字を拝見しました。今後10%以上を目指す中で、若手・中堅社員の段階ではどのようなキャリア支援や育成機会が用意されていますか?」
💡 ポイント:数値への具体的な関心と、自身のキャリア形成意欲を示せます。
Q. 男性育休取得の実態を聞く
「男性育休取得率89.3%という数字を拝見しました。実際に取得した男性社員の方は、復帰後の働き方やキャリア形成についてどのように感じているのでしょうか?」
💡 ポイント:制度の有無だけでなく、利用後の働き方や職場文化に関心を持っていることを示せます。
向いている人・向かない人
- 向いている人:
- 建設業界・スーパーゼネコンで専門性を磨きながら、長期的にキャリアを積みたい人。
- 残業時間や離職率の低さも確認しながら、老舗スーパーゼネコンで安定的にキャリアを積みたい人。
- メンタルヘルス支援やハラスメント相談窓口など、制度面の整備も含めて企業を比較したい人。
- 向かない人:
- 有給取得率の高さやD&I指標の高さを最優先に企業選びをしている人。
- 残業時間が常に少なく、時期による変動もほとんどない環境を求める人。
- 現場勤務・転勤・配属先による働き方の違いをできるだけ避けたい人。
まとめ:清水建設の働き方データから見えること
- 清水建設の残業時間は23.7時間/月で、業界平均25.4時間/月を下回ります。
- 離職率は2.1%で、業界平均2.4%を下回っています。
- 有給取得率は52.0%で、業界平均62.4%を10.4pt下回っています。
- 女性管理職比率4.9%、男性育休取得率89.3%はいずれも業界平均を下回っており、D&I指標には改善余地があります。
- 清水建設は、残業時間と離職率では比較的良好な一方、有給取得率とD&I指標では課題が見られます。
- 建設業界全体では2024年問題対応を機に、働き方改革・多様性推進が進んでいます。
🏢 大手建設・ハウスメーカー6社全体の働き方比較を見る
大手建設・ハウスメーカー6社の働き方・多様性比較はこちら ↗一次情報(公式資料へのリンク集)
清水建設株式会社
出典
本記事のデータは各社が公開する有価証券報告書・統合報告書・サステナビリティレポート等の一次情報を基に構成しています。数値は各社公表の最新データ(主に2025年期)を使用しています。本記事では、建設業における2024年4月からの時間外労働上限規制を「2024年問題」と表記しています。






